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教えてドクター/教えてドクター

専門医療に関するご質問

  • Q.CT検査とはどんな検査ですか?

    CTとは、コンピューター断層撮影法(Computed Tomography)の略です。レントゲン検査と同様に、X線を体に照射して画像を作成し、診断していきます。一方向からX線を照射するレントゲン検査に対し、CT検査では360度全方向から連続的にX線を照射して断層画像を作成します。臓器が重なり合った部分の画像も作成されるほか、3D画像への編集も可能なので、複雑な構造の部位でも全体像が把握しやすく、手術などの治療計画を立てるために大変役立ちます。

  • Q.CT検査でどのようなことがわかりますか?

    CT検査でわかる異常は多岐にわたります。脳・肺・腹部臓器・骨などの全身において、従来のレントゲン検査では発見しづらかった病気の診断に効果を発揮します。以下に、CT検査が有効な一部の疾患についてご紹介致します。
    脳:先天性疾患の水頭症・外傷による出血など
    胸部:肺などへの転移性腫瘍(1mm程度の大きさの腫瘤でも発見が可能です)
    腹部:各内臓器の大きさや形態の異常・門脈体循環シャントなどの血管異常
    腰部:椎間板ヘルニア(突出箇所と圧迫部位を特定でき、手術へ応用できます)
    骨:骨折の状態や関節の異常(3D画像で見ることができ、手術へ応用できます)

  • Q.CTの撮影はどのように行うのですか?

    CT撮影の流れをご説明します。
    1.動物が動きますと画像が乱れますので、動きの抑制と呼吸のコントロールのために撮影中は麻酔を実施します。
    2.心電図・呼吸モニター・血圧計を装着し、動物の状態が安定しているかを常に確認しながら検査を行います。
    3.麻酔中は人工呼吸など適切な管理を行い、体の安全を確保しています。
    4.動物の体が機器にまっすぐ入るように調整します。位置が定まったら、まずそのまま撮影を行います。
    5.血管や各臓器にコントラストをつけ、患部をより分かりやすくするために造影剤を注入して撮影します。このとき、時間差をつけて動脈相・静脈相・平衡相の3回撮影を行います。
    6.撮影は、ガラス越しの操作室で動物の状態を確認しながら行っていきます。もし異常を察知した場合には、すぐに機器を停止できるようになっています。
    7.撮影後は、出来上がった画像を読影し、異常部位の確認後に診断書を作成していきます。同時に解析ソフトを使用して3D画像に編集し、手術計画に役立てています。

  • Q.循環器科の専門診察ではどのようなことを行うのですか?

    循環器の検査には、以下のようなものがあります。
    【身体検査】体重測定や触診など一般的な身体検査のほか、聴診で心臓の雑音がないか、心音のリズムが一定か、呼吸音に異常がないかなどを調べます。
    【レントゲン検査】胸部のレントゲンを撮影し、心臓の大きさや形をチェックするとともに、肺や気管に病変がないかを確認します。
    【血圧測定】前肢や尾に血圧計のカフを巻き、非観血的に測定します。
    【心臓超音波検査】心臓の内部の構造や、弁の動き、血流の流れ・速度を確認します。
    【心電図検査】不整脈の分類を特定します。
    【血液検査・心筋バイオマーカー検査】腎臓など他の臓器に影響がないかを確認します。心臓バイオマーカーであるNT-proBNPを測定することで、心筋への負担が数値でわかり、重症度が評価できるだけでなく、早期診断としても利用できます。
    これらのデータを元に総合的に判断し、内服薬などの治療指針をご案内しております。なお、どの検査も鎮静や麻酔などは必要ありません。

  • Q.眼科の専門診察ではどのようなことを行うのですか?

    眼科の検査には、以下のようなものがあります。
    【身体検査】体重測定や触診など一般的な身体検査のほか、眼脂や分泌物がないか・充血がないか・異所性睫毛など形態的異常がないかをよく観察します。
    【視覚評価】光に対する反射、眩惑反射、手をかざして反応を見る威嚇反射をみます。
    【眼圧測定】眼圧計を用いて測定し、緑内障などの評価をします。
    【涙液量検査】専用試験紙を瞼に挟み、涙液量を測ります。
    【染色検査】染色液を用いて目の表面に傷がないかを評価します。
    【細胞検査】小さなブラシを患部に擦り付け、細菌や炎症の有無を評価します。
    【細隙灯顕微鏡検査】拡大鏡を使い、帯状の光を当てて結膜・角膜・前房水・虹彩・瞳孔・水晶体などを検査します。
    【眼底検査】眼底鏡を用い、眼底の血管・網膜・視神経を調べます。
    【超音波検査】眼球に超音波機器のプローブをあて、内部の状況を把握します。
    なお、片目の異常であっても、必ず両目とも検査を行います。これらの検査を症状に応じて組み合わせて行い、点眼薬やご自宅でのケア方法などの治療指針をご案内しております。

  • Q.皮膚科の専門診察ではどのようなことを行うのですか?

    皮膚科の検査には、以下のようなものがあります。
    【身体検査】体重測定や触診など一般的な身体検査のほか、皮膚の状態をよく観察します。問診では、普段のお食事内容や寄生虫予防の履歴など、詳しくお伺いします。
    【皮膚直接鏡検】皮膚の病変部分の表面や、角質・膿などをテープやスライドグラスを押し付け採取し、染色して顕微鏡で観察します。
    【毛髪検査】被毛の一部をとって顕微鏡で観察します。毛の発育期〜休止期といった段階を判別するほか、寄生虫の検出にも有用です。
    【皮膚掻爬検査】皮膚を削り取るように採取し、顕微鏡で観察します。疥癬虫症、毛包虫症(ニキビダニ症)などの診断に有用です。
    【針吸引生検】できものや、しこりに関して大まかな判断をつけるために、注射針を刺して内容物を吸引し、とれた細胞を顕微鏡で観察します。
    【血液検査】内分泌疾患の診断や、投薬治療のために血液検査で内臓器の数値を確認します。
    【アレルギー検査】採血をし、検査センターにて検査をします。ハウスダストマイト・樹木・雑草・真菌・食物等に関するアレルギーがないかを確認します。
    【除去食試験】食事アレルギーの診断のため、今まで食べたことがない食事や専用の食事を与え、数週間かけて症状を観察します。
    【真菌培養検査】被毛の一部をとって培養し、糸状菌(カビなどの一種) に感染していないかを確認します。
    【感受性検査】抗生物質の選択のため、どんな細菌に感染しているのかを調べます。
    【皮膚生検・病理組織検査】病変のある皮膚の一部を切り取り、検査センターにて病理診断を行います。部位やペットの性格などにより、局所または全身の麻酔下・沈静下で行います。
    これらの検査を症状に応じて組み合わせて行い、内服薬やシャンプー療法・ご自宅でのケア方法などの治療指針をご案内しております。

  • Q.神経科の専門診察ではどのようなことを行なうのですか?

    神経科の検査には、以下のようなものがあります。
    【身体検査】意識の状態や触診など一般的な身体検査のほか、姿勢や行動などで神経病による異常がないかをよく観察します。問診では、これまでの症状の経過を詳しくお聞きし、発作がある場合は発作のタイプや持続時間などについて状況をお伺いします。

    【神経学的検査】専用の表に沿って検査を進めます。身体検査で得た情報に加え、病気による特徴的な歩き方がないかなどを観察し、触診では筋肉や骨・関節に異常がないかをみます。脳神経検査では、瞳孔の状態や動き方、視力の評価をしたり、顔面などの知覚や動きなどについて検査をします。また抱きかかえたり、様々な姿勢をとらせたりして神経学的に正常な反応ができるかを検査します。動物を横たわらせ、ゴム製の打診鎚で刺激し脊髄の反射を調べます。知覚検査では体の各部位に圧痛がないかを確認し、排尿機能検査では排尿が可能かや、膀胱の状態を確認したりします。これらの検査を総合して、脳・脊髄・末梢神経のどの部位に異常が起きているのかを推測します。

    【レントゲン検査】脊椎や骨など、骨格の異常がないかを確認します。

    【血液検査】神経症状を起こす、脳神経以外の臓器の疾患の有無を調べ、また投薬治療のために内臓器の数値を把握します。

    【MRI検査・CT検査】レントゲンでは分からない脳脊髄の異常を、麻酔をかけてCTや検査センターにてMRIを撮影して判断し、神経病の種類と場所の診断に役立てます。
    これらの検査を症状に応じて組み合わせて行い、それらのデータを元に内服薬や外科手術(脳の手術などは大学に紹介)、リハビリの方法、コルセットの使用、ご自宅でのケアの仕方などの治療指針をご案内しております。

  • Q.輸血をするのはどのような病気のときですか?

    輸血の適応となるのは、以下のような疾患です。
    ウイルス感染症・低蛋白血症・血液凝固異常 ・腹腔内出血・免疫異常・悪性腫瘍・播種性血管内凝固。骨髄疾患・慢性腎不全・外傷による失血・血友病など

  • Q.輸血の際の交差適合試験とは何ですか?

    動物の体には、自分の体には元々ないもの(抗原)が入ってくると、抗体を作って抗原を排除する「免疫システム」が働いています。この免疫システムは、細菌、ウイルスなどから体を守るために大切な機能ですが、一方で、輸血された血液を抗原と認識し、血液中の赤血球を攻撃してしまうことがあります。この現象は「拒絶反応」と言われ、輸血された血液が体内で壊されてしまうだけでなく、同時に強い炎症が起こり、患者の体調が急激に悪化し、最悪の場合、死に至る危険性があります。この拒絶反応を回避するために行なうのが「交差適合試験」です。交差適合試験は患者の血清とドナーの赤血球を混和する試験です。混和されたドナーの赤血球が、壊れたり(溶血)、ブドウのようにくっつく(凝集)場合には、輸血することができません。

  • Q.犬や猫にも血液型がありますか?

    犬:DEA式で11種類[DEA1.1,1.2、1.3、3、4、5、6、7、O(オー)、8、null]に分類されます。犬の70%はDEA1.1であり、DEA1.1(+)と表記されます。DEA1.1以外の血液型の場合には、DEA1.1(-)と表記され、(-)の犬に(+)の血液を輸血することは危険です。
    猫:AB式で3種類[A、B、AB型]に分類されます。A型=95%、B型=4~5%、AB型=1%未満です。B型・AB型の猫に、A型の血液を輸血すると、少量でも死に至るケースがあるため、血液型の検査は必須です。
    DEA1.1(-)の犬、B型・AB型の猫は数が少なく、献血供給量も少ないため、必要な時に輸血を受けられないことがしばしばあります。各ご家庭でペットの血液型を予め知っておき、ドナー登録しておくことで、同じ境遇のペットを助けあうことができるのです。血液型は少量の血液で調べることができ、所要時間も10分程度です。

  • Q.細胞療法ではどんなことが可能ですか?

    機能障害や機能不全に陥った生体組織・臓器に対して細胞や人工材料を用いてその機能の再生・改善をはかるものが再生医療です。治療に用いられる細胞として、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や、骨髄や脂肪組織を材料とする間葉系幹細胞などが挙げられます。細胞移植を治療法として用いた場合、各組織の細胞へ分化するほか、様々な因子を分泌することによる間接的な治療効果も示唆されています。動物医療における再生医療は、まだまだ発展途上でありますが、骨・軟骨・肝臓・神経細胞などへの分化や細胞が分泌する因子を利用した治療の適用を、大学を中心に研究が行われています。
    また、細胞を用いた細胞治療として注目されているのが、腫瘍に対する免疫細胞療法である樹状細胞-活性化リンパ球(DC-CAT)療法です。腫瘍細胞を発見すると攻撃の指令を出す役割を持つ樹状細胞に、腫瘍細胞の情報を認識させ、攻撃担当のT細胞と同時投与することで複合的な抗腫瘍効果を狙うものです。この治療により、乳腺腫瘍などのがん患者のQOL(生活の質)を向上させられる可能性があります。
    当院では、細胞療法として幹細胞を用いた再生医療と免疫細胞療法であるDC-CAT療法の実施を検討し、市川橋病院内に細胞培養・管理を行うセンターを開設しました。まずは一部の神経疾患への再生医療の適用を考えておりますが、病気に苦しむペットの役に立つ有効かつ安全な細胞治療を、少しでも早期に実施できるよう取り組んでおります。